Top > Media > [ソーシャル・キッチンのつくり方]3周年:暮らし革命

Media

ソーシャル・キッチンのつくり方

高橋 由布子/ Yufuko Takahashi

hanareのメンバー。デザイン、広報、経理、事務担当。時々ウェイトレス。Social Kitchenができた経緯、運営方法、メンバーのことなどなど、過去の記憶を掘り起こしながら少しずつ紹介していきます。

[ソーシャル・キッチンのつくり方]3周年:暮らし革命

2013.04.17

3yearparty_column.jpg

 

つづく!
という文章を書いてからもう9ヶ月も経ってしまいました…。小賢しい言い訳は見苦しいわ! …ってことで気を取り直して再開したいと思います、『ソーシャル・キッチンのつくり方』。

 

前回紹介した4649プロジェクトのあと程なくして、喫茶はなれの常連であり友人であった山崎伸吾くんがhanareの活動に参加して一緒におもしろことをやっていきたい!と自ら名乗り出てくれました。山崎くんはバンドやPA(音響の仕事)をしながら数々の音楽イベントや展覧会などを企画・運営してきた人で、見かけはちょっとコワイけれどとってもやさしくていろんな人から頼りされてるお兄さん。ってことで返事は迷わずウェルカム! 自分たちのやっていることに共感して仲間に加わりたいと言ってもらうのは純粋にとてもうれしいことです。そして新たなメンバーが加わることでhanareの活動ももっとパワーアップしそうだな、ととっても楽しい予感がしていました。そしてその予感は的中。山崎くんがメンバーに加わってからというもの、私たちの活動は急ピッチで変化をしていきました。

 

前回の記事で、Social Kitchenを立ち上げる以前のhanareの活動で特に記憶に残る企画が3つあると書きました。今回はその2つ目、2009年4月に行った「暮らし革命」を紹介したいと思います。

 

喫茶はなれでは毎年4月ごろに周年パーティーを開いていました。2周年パーティーには小さな民家に50人もの人が集まり、身動きも取れない状態でした。そこで3周年はもっとたくさん人が入れる広い場所を借りて、豪華なゲストも招いて盛大に祝おう!ということになりました。

 

hanareは食を中心とする生活を通して社会を変えるという目的を持って活動をしていたので、記念すべき3周年はその活動が伝わるものにしたいという思いがありました。何度も何度もアイデアを出し合った結果、イベント名は「暮らし革命」というタイトルに決定。会場は左京区元田中にあるギャラリーをお借りし、アーティストの高嶺格さん、大学教員の廣瀬純さん、アーティストの坂口恭平さん、そしてインディペンデントキュレーターの遠藤水城さんという、自分たちが尊敬する人たちによるトークイベント、そして坂口さんによるアコースティックライブを企画しました。イベントのタイトルだけでなく、告知の文章、チラシのデザインまで、メンバー同士で何度もブラッシュアップを行い、何度も何度もやり直して、渾身の力を振り絞って準備をしました。この頃のメンバーは昼間は普通に会社勤めをしていたので、イベントの前はかなりハードな毎日でした。

 

当日の会場には遊びの詰まったフードをたくさん用意し、大原で有機農業を営む渡辺さん夫妻に野菜の販売してもらいました。空間構成は友人の建築グループRADにお願いし、印刷会社で廃棄処分される運命にあったキラキラの紙にhanareのコンセプトと活動を印刷して天井から吊るし、それをお客さんに持って帰ってもらうという素敵なアイデアで会場はとても美しい空間となりました。そしていつものごとく、たくさんの友人に運営の手伝いをしてもらいました。

 

で、肝心のお客さんはと言うと、私たちの予想を遥かに上回り、スタッフも含めるとなんと170人くらいの人がこの会場に集まっていました。これには本当に本当にびっくりしました。その中には自分たちの知らない人=「喫茶はなれ」に来たことのない人もいっぱい…。もちろんゲストが豪華だったってのが大きかったのですが、言ってもhanareは週に1度だけオープンするお忍びカフェ。こんな地味な団体がこれだけの人を集客できたというのはものすごく大きな自信につながりました。

 

そして何よりも運営している自分たちがものすごく楽しかった。普段の「喫茶はなれ」は週1回3時間オープンするだけで経費はすべて食事代で回収。体力的にも金銭的にもほとんど負担はありませんでした。でも「暮らし革命」のような規模のイベントは準備も大変だし、当日の運営も大変だし、いろいろとお金もかかる。けれどもっと多様な人が出会って、もっといろんな会話ができて、自分たちの予期せぬおもしろさが発生する。普段の地道な活動も好きだけど、こうした大きなことをたまにドカン! とやるのもいいなぁと思えた企画でした。

 

「喫茶はなれ」は回を重ねるごとにお客さんも増えて、3周年を迎えたこの頃には空間的にかなりの手狭さを覚えていました。そしてこのイベントを開催したことで、このまま活動を続けていくにはもっと大きな活動スペースを手に入れる必要があるということを確信しました。

 

つづく!

 

IMG_2158.jpg
 
 
  IMG_2044.jpg
 
 
  IMG_2255.jpg

TOP