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Video Essay 「Documentation of Hysteresis 」

Hyslom

僕らは住宅地でも都市でもない所に探検に行くようになった。この場所とのやり取りから生まれる「運動」と「出来事」を身体で把握し、都市の有り様を思い浮かべる。 探検の様子を隔週水曜日にアップしていきます。

Video Essay "Documentation of Hysteresis" vol.13

2010.09.30



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Video Essay "Documentation of Hysteresis- diving into the cluster area "


何処まで行くの?とここに来た友人たちに訪ねられ僕らは指を指してあの辺りと言う。
あの辺りまで行く途中他に興味を引かれて、回り道しながら遊び場にたどり着く。
ゴンゾーで山に行くと、指差してあそこまで行こうと目標を決めて、山あり谷ありの道なき道を直線に進む。
目で見ると近いんやけど予想以上に時間がかかる。真っ直ぐ行っていたつもりが全然違う方向に行ってたりして 方向感覚が完璧に狂ってくる時がある。そんな時はちょっと高い所に登って辺りを見回して 目印になる電波棟やら電線の位置を確かめて。電線に沿って行くとたどり着くかと思ってもそううまくいかない。
何回かそんな事を繰り返すと自然と方向感覚がつかめて目標に一直線で素早くたどり着けるようになる。
様々な丘をくねくね登ってこの丘からカメラに標準を合わせ。一直線にロープを張っていろんなものを次々に手離す。そしたら、ジジジジーって唸りながら向かって行く。風を利用して進むヤツ、じわじわ進むヤツ、重いヤツはかなりのスピードで急降下してカメラに襲いかかった。
それは獲物を狙い撃ちする鷹の様だった。現場の状況に呼応して様々に変化しながら降りて行くヤツらを僕らは【鳥】と呼ぶことにした。
そいつらを上から操る僕らは【鳥使い】だ。

あ、みなさんインドネシアのショピングセンターで少し鳥っぽくなれますよ。
インドネシアに行った時は是非やってみてください。

Video Essay "Documentation of Hysteresis" vol.12

2010.09.16

*再開します。
しばらく連載を怠っていました。毎週楽しみにしてくれていた皆様、何も音沙汰なく途切れてしまいすみませんでした。
この猛暑での夏バテのお陰で、僕らもぐったりでした。。
再開後は現場の移り変わりに僕らが追いつきそうな感じなので、今後は隔週水曜日のアップに切り替えていきます。

*新たに吉田祐も加わり、僕らも名称をつけることになりました。
「Hyslom」
ヒスローム、ヒスロム
Itaru kato Fuminori Hoshino Yuu Yoshida
僕らは住宅地でも都市でもないところに毎週探検に行っている。
山から都市へ移り変わっていく境界を感じ、都市の仕組みを想像する。
ここでの身体と場所とのやり取りから生まれる「運動」と「出来事」を記録した映像作品を制作。
また探検日記「Video Essay Documentation of Hysteresis」を発信中 。
加藤至はcontact Gonzoとしても活動している。
最近の展覧会として、monne' porte 「VIDEO SCREAM」 MUZZ PROGRUM SPACE「VIDEO RELAY 2010」などがある。
その他には梅田哲也展「デッドストック - オールナイト梅田哲也 - 」アイホール・地域とつくる舞台シリーズ 砂連尾理/塚原悠也「SAALEKASHI」参加
よろしくお願いします。

加藤 星野 吉田

Twitter -D_O_HYSTERESIS-

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Video Essay "Documentation of Hysteresis- diving into the cluster area "


朝から現場に入る。午前中池で遊ぶ。
午後から増本君とコータが合流。
二人はここが初めてなのでみんなで散歩。以前の地形にさらに土が被されて地面からにょきっと出ているパイプを発見。
こいつに石ころを掘り込んでみると音がヤバすぎる。
こいつの存在に気がついて行く道辺りを見回して行くと、色んな素材のあいつが出てる。
獲物を見つけたみたいに、次はあいつやって言ってみんなでこいつの具合をじっくり探る。
この子はかなり深い、浅いとか、この子はこんな風に石ころを入れてあげれるとかこんな音するとか、 色々あって。せやけど、僕らが入れた石ころは何処にいったんやろうか?ってみんなで考えてた。
それを探るために、足にロープ付けて誰かパイプん中入る?!って真剣に話してたけどやっぱ怖すぎるから止めた。
でも、今になって考えるとやっぱり気になる。自分の想像を余裕で超えるなにかが待ってる気がする。ほぼ恐怖やろうけど。
いい風に考えたら、何処かの部屋について、綺麗なお姉さんたちによく来たねって褒めてもらえたら最高やねんけど。

Video Essay "Documentation of Hysteresis" vol.11

2010.08.18

*「Documentation of Hysteresis」のアップの日にちを変更しました。 毎週水曜日から毎月第二、第四、水曜日になりましたので次回は九月十五日の水曜日になります。よろしくお願いします。
 
*アイホール・地域とつくる舞台シリーズ 砂連尾理/塚原悠也『SAALEKASHI』に僕らも参加します!!
日時2010年9月10日(金)19:00、11日(土)16:00、12日(日)15:00

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Video Essay "Documentation of Hysteresis- diving into the cluster area "


ビルの五階程度の高さの斜面を登っていく。滑りまくるのでここは足がひっかけられそうだとか、このポイントはちょっと湿っぽいのでもちそうだとか自分なりにルートを決めていく。
てっぺんにつくと助走をつけて一気に滑り降りる。
このときの砂の具合は白くてパサパサに乾燥していて滑り出すと人の後ろにモクモクと白煙が立ち昇り、その後には角がとれた丸くて軽い石ころの大群がどどどと押し寄せてくる。

...高さはさっきの斜面と同じくらいだが、こっちの方が勾配がきつく登っていくのはかなりきつい。這いつくばってよじ登る。
てっぺんから下を見るとどでかい岩がせり出ていて地面が見えない。
むちゃくちゃビビりながらじりじりと滑りながら岩の先端までいく。
下からは早く飛べだの、絶対安全だの心ない野次を浴びせられる。意を決して飛ぶ、体の中空時間が長い、でもなんとなく着地ポイントを見つけ着地すると砂はとても湿っていてやわらかかったが加速した体はそのまま投げ飛ばされごろごろと転がり落ちる。
二回目からはかっこいい飛び方をそれぞれ試してみる。

...隠してあったマットを持ち出し崖へと向かう。
頭から突っ込むので怖すぎる。砂のこすれる音やちょっとした起伏が波のようにうねり暴れまくる。
コツを得た一人の友達はおもむろに眼鏡を外し、より危険な滑りが出来そうな崖をうろうろ探し始めた。
僕らは前が全く見えない彼を心配していたが、彼は「見えないからいいんです」と危険な崖を片っ端から滑走していった。

Video Essay "Documentation of Hysteresis" vol.10

2010.08.11

Twitter -D_O_HYSTERESIS-

VIDEO SCREAM
8月21日(土)からmonné porteにてスタートする増本泰斗さんの企画によるVIDEO SCREAMに参加します。
長崎にお来しの際は是非お立ち寄りください。

*参加アーティスト

歯みがきっ娘 HAMIGAKIKKO

mind gallery MITTE

ジェームス・パウダリー JAMES POWDERLY

小鷹拓郎 TAKURO KOTAKA

加藤至×星野文紀 ITARU KATO×FUMINORI HOSHINO

増本泰斗 YASUTO MASUMOTO

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Video Essay "Documentation of Hysteresis- diving into the cluster area "

今日も朝から現場に入る。
ここ2.3日雨が続いていて今日も雨。
僕ら2人と友人2人と現場に入る。
とりあえず始めてこの場所に入った友人たちに僕らの遊び場を案内する。彼らはこの圧倒的な空間にすげぇーと何度も呟き、僕らは得意気にコクりと頷く。

雨が続いているせいか斜面の裾にでかい岩がゴロゴロ落ちていて,時に砂利が滑り落ちる音が雨音に混じって聴こえてくる。
もう2時間ほど雨に撃たれ体がかなり冷え込む。みな無言で黙々と歩く。でかい斜面を見上げると、砂利と小さな岩がドでけぇ岩を引き連れてゴロっと落ちて来くる。「カメラ!」と叫んだがみんな口も目も全部開いて目の前の岩に向かってただ吠えてた。

金閣寺は確かに美しく崇高な建築だけど完璧には至らないと思うね!しか し炎上のあの瞬間、金閣寺は完璧な建築になったんだ!
炎上する金閣寺は人の介入を拒絶するとともに制御不能でもあるし、かつ 圧倒的な美しさと強度によって人を魅了したんだ!
それに金閣寺に付随したあらゆる意味性を一瞬にして無価値に落とし込ん でしまうあの圧倒的な力...
だから俺の完璧な建築は炎上した金閣寺なんだ!!!
確かこんな話を飲み屋で出会ったもじゃもじゃのやつにされた。

始めての景色に全部吹き飛んで、けどすぐになんか湧いてきて、ちょっと歩くと 数ヶ月振りにまた丸太の奴らに再会した。そっからは全身ぐちょぐちょで夜中まで遊びまくってた。

僕らはここで人間には出会った事がない。人の匂い、痕跡を感じるだけでいい。というか出逢う事に恐怖さえ感じる。

その後中国のCCTVが炎上した。
原因が花火の引火だというんで僕は感動していた。

丸太の構造物はごうごうと燃え広がる。僕らは興奮してじっと見つめてい た。すると突然破壊衝動が僕らに沸き起こる。
...この状態のうちにぶっ壊しちまえ!!!!

丸太に夢中になっていて、友人がライトを手に心配して迎えに来てくれた。その時僕らは恐怖でビビりまくって友人だと気付いた瞬間ほっとしたと同時にぶちキレてた。

その友人とまた丸太へ戻る途中に猛烈に走る猪に遭遇。お陰でビビって転けてもうたけどなんも言えんかった。

Video Essay "Documentation of Hysteresis" vol.9

2010.08.04

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Video Essay "Documentation of Hysteresis- diving into the cluster area "

このところ場所の状況はめまぐるしく変わってきている。先週あったはずの山がなかったり、突然大きな穴が空いていたりと...。少しの気温や湿度でも場所の反応は違う。どうしようもないものを目の前に僕らは常に無力さを突きつけられてしまう。
場所の変化にうろたえることなく素直に即座に応対しなければならない。

...大きな穴にコンクリの固まりの構造物が新たに設置されていた。その中に入ると地下への入り口を発見する。
中は地下特有の心地悪い風と闇に満ちている。びくびくしながら以前とは逆方向のまだ攻めていない方向に進んでみる。中腰でなんとか進める丸い長い通路を抜けると小さな部屋がありそこを抜けるとまた通路があり部屋へと続いている。構成はこの繰り返しで決まっているようだ。
見えないから無意識に他の器官を集中させようとする。いくつか部屋を通過するが出口はいまだ見えない。入り口から遠ざかっていることを考えるとなんだか怖くなってきたので退散することにする。
地下から這い上がった瞬間、外の空気と光に感激する

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