Top > Media > Video Essay "Documentation of Hysteresis" vol.14

Media

Video Essay 「Documentation of Hysteresis 」

Hyslom

僕らは住宅地でも都市でもない所に探検に行くようになった。この場所とのやり取りから生まれる「運動」と「出来事」を身体で把握し、都市の有り様を思い浮かべる。 探検の様子を隔週水曜日にアップしていきます。

Video Essay "Documentation of Hysteresis" vol.14

2010.10.15

DMB.jpg

*展覧会「CLUSTER AREA」を開催します。
日時:2010.10.29(FRI) - 11.07(SUN)
平日16:00 - 22:00 土日11:00 - 22:00
トークイベント:2010.10.30(土)19:00 - 21:00
ライブ上映+パーティー:2010.11.06(土)18:00 - 22:00
入場料300円(ドリンク+スナック付)
場所:LABORATORY
詳細はこの場とTwitter-Hyslom-で随時付け加えていきます。是非お立ち寄りください。



-----------------------------------------------------------------------

doh_logo.jpg



Video Essay "Documentation of Hysteresis- diving into the cluster area "


僕らはこの場所に着くとまず散歩をする。
散歩をすると場所の変化はもちろんのこと自分の身体で感じる場所の些細な変化にも気づくようになる。
そうすると次あそこに何か出来るんちゃうか、その次はこうなるやろ、とか。なんとなく頭で全体像を予測して次第に場所の背景的なところにも意識がいくようになる。そしたら今日はここで何かしよう。こんなん出来そう、あんなん出来そう、とかって勝手に想像が膨らんでくる。

僕らには各々お気に入りのポイントがあって、そのポイントが増えていくと自然とそれらが結びついてきて全体図がぼんやりと浮かび上がってくる感じだ。
崖は緩やかに整地され斜面には芝が生えてきて、土を盛った瘤が島のようになっていた。そいつらは等間隔に整列してあって、ヒョイって島々を跳ぶにはちょうど良い距離感。
その状況をなんとなく読み取って、それがたびたび裏切られることもあるが(消滅していたりまるっきり違うものになっていたり)でもそれもこの場所の一部だし全体として受け入れられるようになってきた。

特に梅雨時の大雨のときはヤバかった。傘をさして立っているだけで全身ぐちょぐちょになるほどの大雨だ。土管にたどり着くまでに何回も滑って泥だらけになった。
一度試しに跳んだら島にドスッって着地。全体重が膝にのし掛かる。でも盛られた土が柔らかくて、着地する心地が良いので島々を縦横無尽に駆け巡る。等間隔に整列してるもんやから、身体の運動にリズムが生まれる。空中で身体回転さしたりして技キメて、ドスッドスッって。
最後は三人で速さを競ってた。焦ってリズム狂うと身体バランス崩してくねくねなった。
久々に友達に会うと「え?なんでそんな黒くなってんの?」とか「なんかでかくなってない?」とか「また傷増えてない?」とか「汚ねぇな」とかよく言われる。自分ではあまり意識はしてなかったがここに来だしてから少しずつ身体が変形してきているらしい。
いくつもの入り口は水で浸水していて潜らなきゃ入れなくておろおろしていると一つだけ入れそうな大きめのパイプがあった。覗いてみると真っ暗で水のぎゃおぉぉという音が中で反響しまくっていて恐ろしい轟音に満ちていた。ときおりばきぃぃっていう硬く高い音もする。入ってみたいが怖すぎる。

TOP