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風見(峯) 遼佑 / Ryosuke Kazami (Mine)

1983年、栃木県生。大学で言語学、大学院で分析哲学を学んだのち、ドロップアウトしダイキン工業入社。現在、エンジニア組織の経営企画的なことに従事。趣味はジャズとかとウッドベース・ボルダリング。

[CALR]vol.23『企画の図法 PDPC』

2014.04.09

 

 

 

 

 

 

 

 

pdpc.jpg
 
『企画の図法 PDPC』 近藤次郎 日科技連出版社 1988年
 
PDPC
Process
Decision
Program
Chart
目的達成や、計画をたてるときに用いる手法です。その作り方、効果、が豊富な事例とともに語られている本です。かなり、面白い本。
(PDPCてのはこんな感じのものです  http://goo.gl/pveSFY )
 
 

 

Operations Research の分野から出てきた手法で、1968年に思いついたというから古い。物事の経緯(過去に起きたことの見える化)ぎゃくに未来に起こり得ることの見える化(何かをゴールに持ってくシナリオ、災害や事故の発生シナリオ)を定性的なことを「いわゆる科学的に」扱おうとして生まれてきた。筆者はこれを東大紛争のただなかで経緯明らかにしようとして思いついたとのこと。

方法自体が厳密に定義されてないがゆえかもしれないが(それがこの手法の良さだと思うが)、固い教科書的な本かとおもいきや、かなり読みやすい。事例も歴史上あった有名なできごとをとりあげており分かりやすい。軽く読み流せる感じ。論とは関係ないが絵もかわいい。
photo (1).JPG
 
例えば、最初にPDPCの意義を語る箇所ではシェークスピアの有名な「to be or not to be、それが問題だ」を引き合いにだして説明。主人公が最終的に母も恋人も親友も、自らの命も失くすという悲劇を引き起こすのは、ひとえに起こりうる事態を事前に明確にしておかず、重要な分かれ目ポイントにおいて意思決定をあやふやにし続けた結果だ、だからシナリオメイキングとその手法大事でしょう、という具合。
 
事態を◻︎のなかに書いて、線でつないで行く。2つの事態の組み合わせで次の事態が発生するときは、それがAND条件なのかOR条件なのかを明示(半月か三日月か)する。途中で意思決定しなければいけないポイントや、何かの条件に応じてよって右に行くか、左に行くか分岐するポイントがある。なにかそこは◇菱形で表現して、yes のときとnoのときで線がわかれていく…
 
ただし、yes or noという文字列を見ると、どうしてもジャズの「yes or no」が頭に鳴り響いてしまう。
これからは意思決定を迫られたとき、迫るとき、PDPCを使うとき、テーマソングはウエインショーターで決定です。
 


補足
気になるのは、chart の要素一個一個に確率を割り付けて、最終的にそのシナリオの確率を出すてな試み。その補足で確率論の話や主観的確率とは?の話があって、ケインズが英哲学者ラッセル、物理学のボーアの話でてくる部分。
こういう話ばかりがきになる…

 

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