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夢であいましょう

原 智治/Tomoharu Hara

1980年、京都市生。大学で画像情報システムを専攻。卒業後、メーカー勤務を経て、京都市入庁。現在は文化行政を担当。

Tomoharu Hara was born in 1980. He graduated from university where he majored in Image Information System. Tomoharu is currently works for Kyoto City, reforming the city's public hospitals.

[夢であいましょう-ある公務員の育児日誌] vol.7

2010.12.16

 この連載の最初に、私は、「何かを育てるということには、いつも甘やかな期待、苦味と不安、熱や愛情が伴」うと書きました。今回は、熱の話です。

 育児休業を終え、三ヶ月が過ぎました。仕事も育児もとなると、さすがにバタバタとした生活になりますが、とは言え、それ程無茶なものでもありません。少しずつ本も読めますし、たまには外出もできます。

 しかし、子どもが一歳にもなると、いくつか新しい問題も出てきます。
 その大きなものの一つは、娘が時々熱を出すことです。

 彼女はこれまで大した病気にも罹らずにきたのですが、秋も暮れ、冷たい風が吹き始めると、時折、発熱するようになりました。このような気温の動きに、まだ体が慣れていないのでしょう。
 熱が出ると、途端に託児所から私の携帯へ連絡が入ります。「できるだけ早く迎えに来てください!!」文字通りのエマージェンシー・コールです。妻は遠方に勤めているので、基本的には私が迎えに行かなければなりません。ありとあらゆるタスクがドサドサと押し退けられ、私は鞄とコートを引っ掴んで、仕事場を後にします。
 私はこれでも、相当のダンドラー(段取りが得意な人)であると自負しています。急な用事が入ってもそれに対応するだけの余裕を持って仕事を進めているつもりです。が、さすがに、朝、職場に着くなり電話が入るようなことが度重なると、スケジュール管理にも支障を来たします。ダンドラーにとっては、極めてチャレンジングなことです。

 先日、娘はびっくりするような高い熱を出しました。
 花火が打ち上がるように、クルクルと熱が出ます。38℃を軽く突破し、40℃も目前です。夜には大泣きします。眠っているときでも獣じみた唸り声を上げています。さすがにこれはと思い、妻がお医者に連れて行くと、中耳炎とのことでした。風邪をこじらせたのです。
 このときは、金曜から火曜まで発熱が続きました。もちろん、週日で、託児所には預けられません。病気の本人も辛いことですが、私と妻も大変です。(結局、実家の親に助けてもらいました。)

 育児をしていると、物事はなかなか思うようには進みません。子どもに服を着せるのも一苦労です。急な発熱に対応を迫られるのも、その一つでしょう。
 思い切って言うと、これは禅の公案のようなものです。育児は、問答の途中に殴りかかってくる老師と同じなのです。いずれ、私が大悟する日が近いのは間違いありません。
 それまでは...まあ、額に汗してバタバタと走り回るだけのことです。

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