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Café LGBT+: LGBTの人権施策に関する、京都市長選挙立候補者への公開質問状

2016.02.03

Café LGBT+は、この度の京都市長選挙(2016年2月7日)に際して、1月27日付けで立候補者全員に公開質問状を郵送いたしました。
 わたしたちは、同性同士が生活を営むうえで「同性婚」や「パートナーシップ制度」が不可欠であると考えています。また、これら諸制度は、日本国憲法で保障されている婚姻の自由や幸福追求権といった個人の尊厳にかかわる人権という意味においても極めて重要な権利です。
 同性パートナーシップ条例が制定された渋谷区や同性カップルに対する宣誓受領証の発行を認めた世田谷区につづき、沖縄県那覇市、兵庫県宝塚市、三重県伊賀市などでも同性パートナーシップに関する検討がなされています。
 わたしたちは、京都市においても、「同性パートナーシップ条例」に類する法制度の制定を求めるべく、京都市長選挙立候補者にその意思についてお考えを伺うことを目的に、公開質問状への回答をお願いしました。

公開質問状は、つぎの通り。
※公職選挙法が改正され、ネットでも選挙運動ができるようになりました。この公開質問状を選挙運動に利用される方は、下記リンクを参考に、公職選挙法に違反しないように気をつけてください。
http://www.city.sendai.jp/senkyo/1209031_2477.html



■質問項目・全文
京都市におけるLGBTの人権施策に関する公開質問状
2016年1月27日 Café LGBT+有志一同

 私たち「Cafe LGBT+」は、京都市内の私設公民館「Social Kitchen」を拠点に、LGBT(性的少数者を表す呼称)の当事者/非当事者の垣根を超えたゆるやかな集いの場づくりと人権に関する活動に取り組んでいる市民有志団体です。
 この度、京都市長選挙が実施されるのにあわせて、立候補者の皆さんに京都市におけるLGBTの人権施策についてご質問申し上げたくご連絡を差し上げました。
 LGBTの人権施策には様々なものがありますが、中でも重要とされるのが「同性結婚」や「パートナーシップ制度」です。前アイスランド首相や前ベルギー 首相、現ルクセンブルク首相、パリ市やベルリン市の市長などLGBTであることを明らかにしている政治家は先進国を中心に多数おり、ほとんどの先進諸国で は同性婚やそれに類する制度が整えられています。2015年にはLGBTの人権問題では保守的とされてきたアメリカ合衆国で、全米で同性結婚が認められました。また先日、台湾においては同性結婚を公約に掲げる民進党の蔡氏が次期総統に選ばれました。
 我が国では東京都渋谷区議会、世田谷区議会で同性パートナシップが議論され、渋谷区ではいわゆる「同性パートナーシップ条例」が定められました。この動きは現在、沖縄県那覇市、兵庫県宝塚市、三重県伊賀市などに波及しております。
 そこで京都市長選に立候補者された皆さんに、以下の2点をお伺いいたします。

1.    私どもは京都市でいわゆる「同性パートナーシップ条例」に類する法制度が定められるべきだと考えておりますが、候補者におかれましてはそのご意思がありますでしょうか。

2.    京都市におけるLGBTの人権施策について、現状認識と今後の課題についてお考えをお聞かせください。

 いただきましたご回答は私どものホームページ、フェイスブックページ、ミーティングを通して広く社会に公表いたします。なお、インターネットでの掲載に際しましては、公職選挙法ならびに表示義務等を遵守いたします。掲載順については、京都市のウェブサイト「京都市情報館・京都市長選・候補者情報」の掲載に準じ届出順といたします。
 何卒ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
回答締切:2016年2月3日
回答方法:ご回答は、郵送またはメールにてお願いします。


 ■回答
質問状に対する回答の掲載は、市長選立候補届け出順とし、全文を掲載いたします。

回答状況について:
・かどかわ大作候補:2016年2月1日 Eメールで回答をいただきました。
・三上たかし候補:2016年2月3日 Eメールで回答をいただきました。
・本田久美子候補:2016年1月31日 Eメールで回答をいただきました。



《かどかわ大作候補からの回答(2月1日付)》

 質問1、2について合わせて回答させていただきます。

 LGBT等の性的少数者の方々につきましては、少しずつではありますが認知されつつあるものの、まだまだ社会に十分理解されておらず、当事者が社会生活の様々な場面で偏見や差別にさらされ、精神的な苦痛を受けるだけでなく、社会参加が困難な状況におかれていると認識しております。
 このため、市民が正しく理解され、差別や偏見をなくしていけるよう、教育・啓発活動にまずは優先して取り組んでまいります。
 そのうえで、同性のパートナーであることを公的に認証する制度につきましては、今後、議会における議論や市民の意識の高まりに応じて、導入の是非を検討してまいります。



《三上たかし候補からの回答(2月3日付)》


 1.「同性パートナーシップ条例」について

 条例化はされるべきだと考えています。個人の尊厳、いわゆるアイデンティティーを尊重する世の中になるべきです。性的、経済的など社会的少数弱者が差別されることなく、お互いを認め、許し合う平和な世界を三上たかしは目指しています。

 2.今後の課題

 同性パートナーシップ制度としても、相続や年金制度の様に内縁関係と同等の地位が認められるべきだと思いますが、法律婚でも偽装があるのですから、制度上偽装が増えないような施策を考える必要があり、どのような場合にパートナーとして認めるのかという基準が必要だと思います。法律婚は当事者の意思で届けることで成立しますが、同性パートナー制度の場合一定の同居期間が必要など許可制度的になることはやむを得ないのではないかと考えております。



《本田久美子候補からの回答(1月31日付)》


質問状に対する回答について
 性の多様性とそれをそのままに受け入れる平等性を社会が認め、LGBTの人権を守る取り組みへの皆様方の日頃のご尽力に、深い敬意を表し、いっそうのご活躍を期待申し上げます。以下、書面をもちまして回答いたします。
1
   性的指向や性自認は人の性や生き方そのものにかかわるものであり、個人の尊厳の根幹部分 をなすものです。憲法13条は、個人の尊重と幸福追求の権利を規定しており、人がいかなる性的指向あるいは性自認を持つかは、これにより保障されています。また憲法14条1項では、法の下の平等を規定し、全ての国民が差別されないことを保障しており、性的指向や性自認にかかわらず、差別されることなく、あらゆる人権を享有できることが保障されています。
 また、国連人権理事会は2011年6月、LGBTの権利に関する初の国連決議である「人権と性的指向・性自認」の決議を採択し、日本政府はこの決議に賛成し、国際社会において性的少数者の権利を保障する立場をとっています。
 このように憲法上からも国際公約の面からも、LGBTのみなさんが差別されることなく、実質的なものとして権利が保障されなければなりません。京都市においてもその実現に向けた条例等の整備を行ってまいります。

2
  京都市も政府のLGBTの人権施策は極めて不十分です。私は、国民的な合意形成を大切にしながら、憲法や国際人権自由権規約にてらして、それにふさわしい状況になるよう京都市の取り組みを進めます。
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以上

問い合わせ先:Cafe LGBT+事務局 cafelgbt@arts-npo.org

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