[かわや版] vol.18 南瓜とマヨネーズ
「早」。個人的な今年の漢字一字。気楽な学生時代から反転、社会人1年生(会社や社会という巨大な歯車の一部)として、慌ただしくスローライフを逆走した。とは言うものの、何かと忙しい師走になると毎年口にしているような気もする。清水寺の次は冬至だ。無病息災を願い、柚子風呂に入りカボチャを食べるのが慣わしだが、他にも土用の丑の日の鰻、節分の太巻きなどがある。美味しく伝統を味わえるから、この行事の日に何かを食べるという風習が気に入っている。
冬至南瓜以外でカボチャのイベントと言うと、ハロウィーンが有名だろう。仮装した子どもたちが近所の人からお菓子をもらう祭りだが、冷静に見てみると、子どもの姿は悪魔やドラキュラだし、カボチャの細工も何とも不気味だ。ハロウィーンにおけるカボチャは、そのような祭事のイメージを表すものとして用いられているみたいだ。また、東欧の国ウクライナでは、カボチャは反抗心の象徴と聞く。これまでカボチャに対するイメージなど持っていなかったから、文化の違いは面白い。要するに、カボチャは美味しいってことですな。
冬至を過ぎると、嫌でもやって来るのがクリスマス。最近では11月ごろからクリスマスの雰囲気が漂い始める。そして、焦る。この日を誰とどうやって過ごすかは結構大きな問題で、やはり特別なイベントに違いない。そんなカボチャと恋愛の年の瀬に思い出すのが、魚喃キリコの漫画『南瓜とマヨネーズ』。女子の視点から、若い男女の恋愛を淡々と描く。以前好きだった女の子の部屋の本棚にも並んでいた。どうやら今年もクリスマスは一人なので、甘酸っぱい思い出に浸りながら、カボチャのマヨネーズソテーで祝うことになりそうだ。カロリー・オン。

日本人を科学する
10月に発表されたノーベル賞の授賞式が、間近に迫っている。今回は、ノーベル物理学賞の益川さんや小林さん、ノーベル化学賞の下村さんら京都にゆかりのある地元関係者の受賞が続き、連日の快挙に沸いた。という訳で、当然の如く僕は号外の配布に駆り出され、この嬉しい知らせを伝えるべく駅前の街頭に立った。
それにしても、テクノロジーの進歩には目を見張る。特にゲノムと呼ばれる遺伝子情報の解読。DNAの塩基配列を解析する高性能の次世代シーケンサーは、ヒトゲノムをわずか2分で読み解くとか。ヒトだけではなく、あらゆる生き物のゲノム解明が進む。最近ではマンモスが話題になった。iPS細胞ではないが、研究の成果が癌や不妊の治療など医療の向上につながればと期待する。一方で、映画「ジュラシック・パーク」で描かれているような事態にならないとも言い切れないのが怖いところだ。
ラジオで聴いた話だが、最新の遺伝子研究によると、人類は約18種の遺伝子グループに分類できるそうだ。我々「日本人」は複数のグループから構成され、一番多いチベット系(縄文人)や日本列島に最初に渡来したモンゴル系などが含まれるらしい。モンゴル系の人々で、陸続きにアメリカ大陸に渡った集団の一部は、いわゆるネイティブ・アメリカンの祖先と考えられている。頭蓋骨の形や文化面など、日本人との類似点が多いのもこのためである。一説によると、「シャーマン」の語源は北東アジアのツングース語に由来し、中国を経由して仏教用語の「沙門」になったという。
今回、益川さんらとともにノーベル物理学賞を受賞した南部さんの米国籍取得をめぐる問題で、国籍法の改正の動きがあった。現行の国籍法は二重国籍を認めておらず、22歳までに国籍の選択を強いられる。また、外国籍を取得すると、日本国籍は自動的に失われる。「アメリカ人」の南部さんの受賞を受け、「二重国籍を認めた方が、日本に都合が良い」と、法改正に乗り出したようだ。アイヌの先住民族決議やオバマ米大統領の誕生と同様、「変化」がいい方向へ向かうよう期待したい。
Yohei Horiuchi
秋の味覚
秋の夜長、いかがお過ごしでしょうか。秋といえば、海や山の食材が一段と美味しくなる季節だ。松茸に秋刀魚、牡蠣に柿。だが、なんといっても「サツマイモ」である。焼いてよし、煮てよし、揚げてよしで、天ぷらや煮付け、炊き込みご飯のほか、スイートポテトや大学いもと何でもいける。中でも自然な甘さを堪能できる焼きいもが大好物。皮の苦みとの相性もよく、割ったときにほくほくの黄金色がのぞく感じもたまらない。アルミホイルに包んで落ち葉の焚き火で焼き上げると、さらに美味しく感じられる。そして、この時期になると何処からともなく現れる焼きいも屋台。遠くから聞こえてくる声に、「焼きいも焼きいもお腹がグー」と、つい口ずさんでしまいたい気分に駆られる。
サツマイモの魅力はまだある。収穫が楽しい。色んな食べ物とその収穫方法があるが、イモ掘りに勝るものはないと思う。土の中から大小のイモが「芋蔓式」にとれた時の快感。僕がお世話になった保育園では毎秋、イモ掘りの行事があった。静原の畑でイモを掘り、焼きいもやイモ入りのみそ汁などが振る舞われる。そしてなぜか裸になり、相撲大会が催された。その時に夢中になった体験が忘れられないのだろうか。今でもほぼ毎年、祖母が育てているイモの収穫時には帰省し、イモ掘りに興じる。
秋の京都は紅葉シーズン真っ盛りだ。実家近くの実相院も大勢の観光客らでにぎわっている。うんざりする程の混雑ぶりを知っているだけに、なかなか出歩く気になれないのだが、昨年は母親と自転車で光悦寺に紅葉狩りに行った。その後、母親が子どもの頃に来ていたという喫茶店でお昼を済ませ、千本、西陣界隈をブラブラ。帰りに今宮神社で名物「あぶり餅」を食べたのだが、これがまた美味しかったこと。死ぬまでに焼きいも(鳴門金時)とあぶり餅、元祖と本家を一緒に味わってみたいなと、小腹の空いた夜中にふと考える。夜は長い。考え出すと余計にお腹が空くから、屁こいて早く寝よ。
音楽の秋 mix
風をあつめて/ はっぴいえんど
Can't Take It/ Recloose
Unknown/ Boredoms
@京都音博のラストで、岸田繁×細野晴臣の夢のサプライズ共演が実現。言わずと知れた名曲。カール・クレイグに見いだされたデトロイト第3世代。@アバンギルドは見逃したが、高校生の時に聴きまくった。Yoshimiの母校@精華大でのドラムのみのパフォーマンスは圧巻だった。EYEちゃん最高!2代目・高橋竹山とレナード衛藤のライヴパフォーマンスも拝みたかったのだが・・・。

Yohei Horiuchi
[かわや版] vol.15 絶滅危惧種、雑誌
雑誌が売れないと言われて久しい。確かにそうだ。パッと思いつくだけでも、『TITLE』『Tokion』『月刊PLAYBOY』と休刊が相次いでいる。そんな中、先日、また悲しいお知らせが舞い込んできた。なんと、『Lmagazine』が二月号を最後に休刊になるという。「エルマガ」の愛称で親しまれ、関西を代表する良質なカルチャー誌なだけに悲しくて遣り切れない。ハァ・・・。
雑誌好きの僕は、時間があるとフラッと本屋に立ち寄る。雑誌をパラパラしながら、ささやかな至福の一時を過ごす。愛読誌が何冊かあり、「もうすぐ発売日やなぁ」とか思っていると1ヶ月が予想以上に早く過ぎていた、なんてことも多い。雑誌の発売日が暦みたいなものなのである。だから、雑誌の不況を耳にしても、実感が持てないのというのが本音。紙媒体の衰退や紙の行く末にも楽観的だ。雑誌や紙の魅力に根拠のない自信がある。きっと生き延びていけると思う。根拠は、ない。
しかし、だ。エルマガに続いて叡電までもが無くなるとは。深緑色のワンマンカー「デオ600形」。エンジやピンクも悪くないけれども、レトロな深緑の車両が好きだった。子供は乗り物好きと相場が決まっている。ラストランの雄姿を見られないのが残念だが。「時代の流れ」というやつなんでしょうか。今日は24日。とりあえず明日、本屋にエルマガ買いに行こ。
L mix
Williams Mix/ John Cage
Gathering/ Planet Bamboo
Unknown/ ハンバートハンバート
国立国際で開かれたケージの生誕100周年イベント。Lの掲載がなければ、中で聴けたはずなのに。L音楽班もご用達の「プランテーション」にて購入した、バリ島を拠点に活動するユニット。現地の民族楽器などが飛び交うトライバル・アンビエント。今秋、L「京都市、左京区。」号でも紹介されているレインボーヒルと京都音博に出演、佐藤さんの声が印象的だった。

Yohei Horiuchi
[かわや版] vol.14 さらばエーデンの東
最初に考えた人の脳みそが偉い。上手いこと言ったもんだ。勿論、あの名画にひっかけてあることは言うまでもないだろう。「エーデンの東」。つまり、「叡電」よりも東に位置するエリアを指す。左京区の百万遍や北白川、一乗寺界隈である。
エーデンの東は、僕の人生の地図みたいなものだ。24年間、高野~修学院~岩倉と移り住んできたわけだが、小学時代と中学時代を過ごした修学院がまさにその場所だった。北山白川から北大路白川にかけての白川通り沿いを中心に、自転車を引っ掛けて行った修学院プラザや柊公園、北白川の丸山書店といった遊び場の行動範囲とも重なる。毎日のように入り浸っていた友人の家も。
生まれ育ったエーデンの東から琵琶湖の東へ。10月から滋賀県草津市に引っ越した。会社の異動で。親元を離れ、初めて一人暮らしを始めた。自分の知らない土地で、旅行とか一時的な滞在ではなく、生活するというのは変な感じがする。と、一人暮らし初心者の月並みな感想ですが。ちなみに、枕元には草津の風土史と一緒にエルマガ最新号が仲良く並んでいます。
Ozo Rocks mix
Unknown/ Nina Simone
君は人のために死ねるか/ 杉良太郎
Ladyflash/ The Go! Team
Losing My Edge/ LCD Soundsystem
ソウルフルな歌声とピアノが素晴らしい(公民権運動参加など、活動家としても)。奥田民生や関根勤、ダウンタウンが絶賛したという。君は人のために死ねるか!?スクラッチあり、サンプリングあり、とにかくエネルギーがすごい多国籍バンド。Sonic Youth Meets Jackson5。ダンスとロックを融合させた第一人者、DFAのジェームス・マーフィー。を、返却求む!

Yohei Horiuchi
hanare December 21, 2008 04:07 PM