- 講師:
- 日程:2015. 7. 28(tues)
- 時間:19:00open 19:30start
- 料金:1000yen +1dr (adv), 1200yen+1dr (door)
- 企画:kitchen hanare/ 静かな音楽を聴く会
- 問合せ:kumiwakaoアトマークhanareproject.net 090-5010-0790 (kitchen hanare)
(写真はリチャード・ブローディガン「芝生の復讐」新潮文庫より)
西瓜糖の日々
忘れてしまうことと共にあるもう一つの世界
【出演】
金谷 麻美(ケる子)・・・dance
宮西 淳・・・acoustic guitar
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『西瓜糖の日々』によせて
金谷麻美(文)
リチャード・ブローティガンの『西瓜糖の日々』という小説のオマージュのような作品をつくってみたい。
大学生の時にこの小説家の文章に出会ってそんなことを思っていたけれど、「いつかね」と思いながらすっかり忘れてしまっていた。
それから数年が過ぎ、今年の冬にSocial Kitchenで宮西さんの「待つこと、忘れること」というギターの即興演奏を聴きました。
はじめて聴く宮西さんの演奏は、無口な彫金職人が薄ぼんやりとした工房で一人こつこつと静謐な世界を、削り現そうとしているかのような、そんな印象でした。そんな世界があることも、私は何だかすっかり忘れかけてしまっていたような気がしました。
それからまた、宮西さんの演奏を聴く機会があったので「いっしょに何かやりませんか」とお話したところ「僕たち、合わないと思いますよ」と一蹴されました。何だか正直で面白い人だなぁと思いました。それからブローティガンのことを思い出したのでお話してみたところ「面白いかもしれない」と宮西さんも言った気がするので「西瓜糖の日 々」というタイトルにしたいです、とお願いして今回即興表現で一つの場をいっしょにつくることとなりました。
このようないきさつ、宮西さんはブローティガンのこともあまり知らないし、合わないかもしれない。ただ、私が忘れてしまっていたような世界を確固として音楽で表現出来るのは、こんな人じゃないと出来ないなと思いました。なので彼の演奏を是非聴きにきてもらいたいなと思っています。不安でちぐはぐな感じですが、そんなところが案外ブローディガンぽくなるかもしれない、と実は思っています(そこを狙っているのです)。
西瓜糖の日々という小説は、『忘れてしまうことと共にあるもぅ一つの世界』の話です。
わたしは「ある自分自身が、も ぅひとつの世界とともにあった」ということをもぅ一度緩やかに思い出しながら、とても退屈なことがしたいなと思っています。退屈なようで、置き去りになってしまっていたもぅひとつの世界と時間を、大切に紡ぎ出せるような時間をもてますように。
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