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展覧会 「山びこのシーン」の記録

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3月3日に京都芸術劇場 春秋座で上演される、加納俊輔上演作品「山びこのシーン」の制作過程の記録を展示します。


◎作家テキスト
山の中で「ヤッホー」と叫ぶ。すると、むこうの山から「ヤッホー」と返ってくる。
昔の人たちは、この現象を山の精霊が自分の声色を真似て応えているのだと思っていたことから、山の神、山の精霊の意味をもつ「山びこ」と名付けた。でも、今この日本に住んでいるぼくたちは、この「山びこ」を山の精霊の仕業だと素朴に信じることは難しい。
ここにあったものが、一度むこう側に行って、そして全く同じ状態で返ってくる。ぼくたちは、この「山びこ」という現象を、発された声(音波)が、山の斜面や物体にぶつかり、反響したものがこちらに返ってきていると知っている。でも、実際のところはどうなのだろうか。今自分が居る場所から確認できないむこうの山で、本当に反響が起きていたのか、あるいは精霊が声を真似たことをどうして否定できるのか、それをぼくたちは確認することはできない。反響なのかもしれないし、山の精霊の仕業なのかもしれない。
さっきぼくが発した声は、反響であろうと精霊の声真似であろうと、いずれであっても、「さっきぼくが発した声」として返ってくる。それら二つは行きも帰りも同じ姿をしているが、実は全く違うプロセスを経て戻ってきている。
とにかく、今ここで確認できるのは目の前にあるものとその後に示される記録だけ。それらをじっくりと眺めること、あとその見ることの出来ない「むこうの山」のことを想像してみること。


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《Showing》02 写真 
加納俊輔 上演作品「山びこのシーン」


日時:2015年3月3日(火)開演18:30(受付・開場は30分前)
会場:京都芸術劇場 春秋座  〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
料金:入場無料
ご予約/お問い合わせ:
E-mail:2014showing@gmail.com
※ご予約の際には「氏名」「人数」「連絡先」をお書き添え下さい。
客席の都合上ご予約をお願いしております。

詳細はコチラ
http://show-ing.tumblr.com/


◎企画テキスト
京都造形芸術大学<舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点>2014 年度共同研究プロジェクト「想起の空間としての劇場」は、アーティストと研究者が「創作」と「研究」を並行して行う場として立ち上がりました。
アーティストが上演を行なう《Showing》シリーズでは、「公演」における各要素の中で、複製技術を持つメディア(音、写真、映像、言語、印刷物など)を取り上げ、それぞれの視点から劇場へと向かう創作を試みています。
第1回目は、昨年8 月に京都芸術劇場studio21にて、音響作家・荒木優光による音響上演『パブリックア
ドレス- 音場2』を開催しました。
第2回目は、写真メディアを扱う美術家・加納俊輔による上演作品を発表致します。加納は、物質の表層に騙し絵的な「仕掛け」を与えることで、平面を示唆するような作品を創作しています。例えば、代表的なシリーズとして、キューブ(立方体)にカラフルなプラスティック製バンドを巻き付けた作品がありますが、よく見ると、その表面には写真が貼り付けてあることが分かります。これは、実際にその表面にプラスティック製バンドを巻きつけて撮影し、その写真を物体に張り付けて、また撮影するという行為を繰り返したものです。写真を再撮する・物質へ貼付けるといった行為に含まれる時間性と空間性を圧縮して一枚の写真に定着する加納の作品に着目し、本企画では、加納が構成したパフォーマンスを劇場空間にて上演します。舞台芸術はもちろんのこと、写真というメディアの可能性を再考する機会となるでしょう。

|主催:2014年度 <舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠>共同研究プロジェクト「想起の空間としての劇場」研究代表者 横堀応彦

  • 講師:
  • 日程:2015年2月28日(土)-3月8日(日)
  • 時間:12:00-20:00
  • 料金:無料
  • 企画:荒木優光、加納俊輔(協力:山崎伸吾)
  • 問合せ:

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