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相談 零塾番外編「京都ハローワーク」 by 坂口恭平

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坂口恭平さんという人がいます。彼はこれまで、『0円ハウス』、『TOKYO 0円ハウス0円生活』、『隅田川のエジソン』、『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』、『TOKYO一坪遺産』等の本を出版し、大都市の別レイヤーの中で生きる人たちをリサーチしてきました。隅田川や多摩川で生きる「都市型狩猟採集生活者」のリサーチは、現代の住居環境の歪さを問い直すだけでなく、生活すること、人が生きることの新たな可能性を指し示すものでした。次の展開として、坂口さんは「零塾」というものを最近始めました(以下の長い説明を読んでください)。「都市型狩猟採集生活者」とのやりとりをベースに生まれた「零塾」は、仕事とは何か、労働とは何かを徹底的に問い直すこと、そしてその過程を教育として無償で提供することが目的のようです。
今回の零塾番外編「京都ハローワーク」では、「今後やりたいこと」があるけど、それをどうやって実現していったらいいのか分からない人に向け、「仕事」を見つけていくための、個人面談をする予定です。

※個人面談に参加したい人は、「今後やりたいこと」を考えてきてください。


「零塾」

教育は無償でなされるべきである。
社会を変えようとする人間を生み出すということは、
そのこと自体が社会に対して有益であるはず。
と思いまして、0円の私塾を開きます。


零塾を始めたきっかけは様々な要因が重なっているのだが、やはり一番大きな理由はこの三年間で三人の友人を自殺で亡くしてしまったことである。みんな僕の家で食事をしたことがある。しかも、そのうちの一人とは僕はかなり議論を重ねていて、しかも、かなり強い言葉で叱咤激励をしていた。そして、やるなら死ぬ気で徹底的にやろうよとずっと言っていた。それなのに、死んでしまったのである。僕は悔しかった。だけど、同時にもっと優しくすることもできたのではないかとも思った。いくつもの判別できない感情が僕の頭の中をぐるぐると駆け回り、自分を責めたり、相手を責めたり、してみたが、結局そんなことをやっても意味がないと思えた。ただもう二度と自殺者を出してはいけない、彼らの苦しみを自分の苦しみとして完全に引き受け、ちゃんと希望を見つけ出さないといけないと思った。しかし、今のこの社会では自分が持っている才能を最大限に生かすということはとても困難で、人は容易に諦めてしまう。そのことを問題視しつつも、解決策が見つからない。だけど、僕には見えていた。なぜなら僕には都市型狩猟採集民という酋長であり、父であり、先生であり、死にそうになったらいつでも自分のところへ来なさいと僕に言ってくれた唯一の人たちだったのである。おかげで僕には希望が出来た。社会システムというものから逸脱している人々が、唯一、この社会の中で希望を持っているのではないかとさえ思った。だから、僕はフィールドワークをしているのである。

 多摩川のロビンソンクルーソーは、「いつでも連れてきなさい。なんでも教えてあげるから。草でも花でも虫でも魚でも、家のつくりかた、野菜の育て方、動物との接し方、道具の使い方、電気の扱い方などね。だから、いつでも連れてきなさい」と言ってくれたのである。どこに、そんなことを言ってくれる人がいるのだろうか。完全に都市化してしまった人間たちにはそのような野生の思考はない。しかし、人間を本当に生きさせる原動力となる力とは、この野生の思考そのものである。僕はその瞬間にすべてを了解した。僕がやっていたのは、ただの路上生活者の家の調査なんかではなかったのだ、と。


 僕が体験していたのは、太古から永遠と続いている先人から無知な若者へと伝承されていく文化的経済、つまり教育だったのである。彼らは僕に一円足りとも請求しなかった。常にギブ&ギブ&ギブだった。贈与そのものであった。僕はそんな無償の愛を全面的に受け続けていたのである。死ぬ訳がない、と思った。僕は死なない、と。
 死者たちが彼らと出会えていたら、どんなに救いになったのだろうか。表面的な人間関係や、お金の有る無しや、労働の成果など、どうでもいいじゃないか。ただ毎日、新しい朝を迎えて、自分でつくった野菜でも食べて、0円で暮らして、自由を体感している人を知っている僕は彼らも連れて行くべきだったのである。そうでなくても、自分の言葉で伝えてやるべきだったのである。観念的な思想なんかどうでもいいじゃないか。生き延びることだけが必要なのだ。困ったら、いつでもこいという人間こそが必要なのだ。僕は贈与を受けたのだから、今度は僕の番なのではないか。それこそが今回の零塾の動機である。


【当日タイムテーブル】
■16:00~17:00 トーク:「零塾」についての紹介 ※誰でも参加可能です!
■17:00~22:00 個人面談:「ハローワーク」開始 
※当日は先着順で受け付けます。1人あたりの時間は大体30分~1時間を想定していますが、待ち時間も多くなる可能性大です。ゆっくり構えください。あと、Social Kitchenの1Fはカフェなので、待っている間、何か頼んでもらえると嬉しです。
参加費:無料

  • 講師:坂口恭平
  • 日程:2010年12月12日(日)
  • 時間:16:00~22:00
  • 料金:無料
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  • 問合せ:

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