- 講師:島本浣
- 日程:2010年10月16日(土)
- 時間:19:00〜20:30
- 料金:500円 ※ワンドリンク付き
- 企画:
- 問合せ:
島本浣(専門:美術史)が、美術史についての話しと、美術関係古書バザールをおこないます(安いよ!)
レクチャー:「美術史」って何だ? ①イントロダクション
美術史と聞くと、絵画や彫刻などもろもろの美術品をイメージと一緒に見ていく大学での科目だったと思う人も多いだろう。でも、19世紀の西洋でたちあがってきた「美術史」という「学問的」言説は、いまや巨大な言説システムとして、美術館や博物館、現代アートの現場を、それだけでなく作品やものを見る私たちの眼を、いわばシキッテいる、ちょっと怖い幻想のシステムである。そんな「美術史」という言説の歴史を追いながら、人間の「観る」制度について考えたいと思っています。
古書バザール:
バーチャル古書カフェFrench Libraryからの出品というかたちをとった現実の古書バザールです。美術関係の書籍(展覧会カタログ、作品集、美術史書等々)と哲学書が中心です。中心は外国の書籍ですが、日本の展覧会カタログもあります。
■今回のレアーブック一覧、早いもの勝ち!
・ フェリシアン・ロップス「エロチック版画集」(1905年)
19世紀後半のベルギーの画家・版画家。世紀末象徴主義の香りが強い耽美的作品で知られる。エッチングと色彩コロタイプで刷られた42点の版画が収められた作品集。かなり貴重。(要相談)
・ナム・ジュン・パイク展カタログ(1995年、フィンランドのツルク市アルス・ノヴァ)
1995年にムーミン島見学がてら寄ったツルクで見たパイクの展覧会。そのとき買ったもの。(英語・フィンランド語併記)(2500円)
・ニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art, New York)の1985年版カタログ
展示品の1070点(カラー319点)が解説付きで掲載されている大部なカタログ。重いけど、貴重。(2600円)
・1861年のルーヴル美術館フランス派絵画の展示品カタログ
本格的な美術館カタログを編纂に初めて着手したフレデリック・ヴィヨの手によるカタログ。(仏語)歴史的に貴重。(2000円)
・1867年刊のパリガイド(科学とアート編、2版)
当時の著名な小説家、歴史家、思想家等々を集めて編纂された2巻からなる大部なパリ・ガイドブックの第1巻。序文はヴィクトル・ユゴー。多くの挿絵が入った900ページあまりの、実用かつ読み物としての重厚なガイドブック。(当然、仏語)(3000円)
その他:
・ドレスデン美術館、バーゼル美術館、ミュンヘン・アルテピナコテークの展示絵画カタログ(各1000円〜)ほか、日本で行われた展覧会のカタログ(200〜500円)などなど。
■島本 浣 芸術学部 大学院 芸術研究科 / 教授 専門分野 美術史
『新譜ジャーナル』編集部勤務後、京都大学文学研究科(美学美術史専攻)入学、1982年同博士課程終了。帝塚山学院大学文学部をへて2002年京都精華大学へ。06年から4年間、学長を勤める。専門書として『美術カタログ論--記録・記憶・言説』(三元社)他、論文多数。
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