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イベント Presentation by Nadav Harel

  1月25日のプレゼンテーションも大盛況。来てくれた人ありがとうございました。いつにも増して幅広い顔ぶれで、こういう人の混ざり具合を見ると、嬉しくなります。レクチャーをやっていると知らずに来た、オーハラーボ(大原の農家衆)の4人組も、聞いていってくれた。ありがとう。

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  今回は、hanareradに滞在中のナダッフ・ハレルというテルアビブを拠点に活動するフィルムディレクターに、これまでの作品をダイジェスト紹介をしてもらいました。どの作品も日本語の字幕がないのが残念です。個人的には、アメリカ在住中の作品「Chicken Hawk」と「Shas」という超正統派ユダヤ教政党の躍進についての作品「Children of the revolution」が気になりました。

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  どの作品も、あまり日本には縁のないイスラエル社会を映し出すものです。恒常的な戦争状態が続く国にあって、パレスチナを占領し続けているというその事実は、イスラエル社会の隅々に深い陰を落としている。そんな社会状況の中で、映像を作り続けるという行為はどういうことなんだろう。ナダッフは、各作品を説明する際に、「映像作品を通して世界を少しでも変えられると思っていた」時期の初期作品=意図的に政治メッセージを盛り込んだ作品と、「映像では何も変わらない」と考えるようになった最近の作品=意図的に政治メッセージを盛り込むのを止めた作品をはっきり分けていた。作る側としてははっきり区別しているのかもしれないけど、見る側はそれでも政治メッセージを受け取ってしまう。占領政策と表裏一体に存在するイスラエル社会(パレスチナ社会も)で非政治的な映画を撮れない悲劇、全てが政治的な意味の中に回収されてしまうかもしれない辛さというのがあるような気がする。ヨーロッパの数々のビエンナーレで、その逃れられない社会状況をバックにした力強い作品にたくさん出会ったし、そういう状況下で作られる作品の強さを思い知った。だけど、日本で見たらたまにイライラする「半径3メートル圏に生きてます」的な作品(これはこれで、脱政治化が大成功した日本の社会状況の反映)みたいなものを作れない、或は誰もそう受け取ってくれないしんどさがあるのではないかと思う。

  「Area K」と「Attack of the Happy People」はコピーを貰ったので、見たい人は連絡をください。



  • 講師:Nadav Harel
  • 日程:2010年1月25日
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